今週のお題「夢」
ここはどこだろう?
今とは違う懐かしい感覚の中に私はいました。
周囲はやや色彩が色あせていて、昭和の時間にタイムスリップしたような景色。
子供のころによく遊びに行ったおばあちゃんの家によく似ているけど少し雰囲気が違う。
私はダイニングのテーブルに腰かけていて、
奥のキッチンで、誰かが食器を洗っているのが見えました。
彼女が誰だか知っているようで、思い出せない。
でも、私は親戚の叔母に向けるような親近感をその女性の後ろ姿に抱いていました。
目の前には小学生低学年くらいの次男が俯きがちに座っていました。
落ち着かない様子で無口で周囲を観察しているような様子です。
次男の姿を確認した後、私はキッチンの入口まで行って女性に声をかけました。
「長いこと預かってもらってすみません。
そろそろ連れて帰りますね」
女性は振り向くこともなく黙って手を動かし続けていたが、私は彼女が了承してくれたと感じ次男に近寄りました。
「一緒に蹴ろうか」
私の声かけに次男は俯いてだまったまま。
その時私は、しっかりと相手の意思を確認しておかなくてはいけない必要を感じました
次男の高さまで腰を降ろし華奢な肩に手を添えて、もう一度声をかけてみました。
「家に帰りたい?」
それでも次男は顔をあげずに黙ったまま。
その姿を見て、彼が決断を私にゆだねているように感じ、健気で愛おしく思いました。
その時、彼を抱きしめたような気がします。
次の瞬間、ハッと夢から覚めました。
夢の中の出来事を目覚めた後もしっかりと覚えていることは、私にとってはかなり珍しいことです。
夢から目覚めて真っ先に頭に浮かんだ言葉は、
ーやばい!もしかして連れてきてしまった⁉ー
でした。
その言葉に驚いて
ーえ?なんの事?ー
と頭の中で自分に問いかけました。
当然ながら、夢の中の私は目覚めると同時に消滅してしまったので返事は帰ってきません。
現実に戻る直前に抱きしめた次男の細い肩の感触が指先に残っていました。
こっちの世界の彼は0代に突入しており身長も180cm超えの大男に成長しているので、懐かしい感覚です。
しかも次男は、隣の部屋で就寝している最中。
あと1時間もすると、中間管理職でストレスフルな彼の1日が始まります。
今の彼に私の助けなど1ミリも必要ありません。
だったら、私がこっちの世界に連れてきたあの小さい次男はなんだったのでしょう?
そもそも後ろ姿の女性に向けて話した
「そろそろ連れて帰ります。」
という言葉にはどう意味があったのだろう?
そういえば昔、スピリチュアル”本を何冊か読んでいました。
たしかあの頃は、家族の中でスピリチュアル的に一番近い存在は次男かもしれないと感じていたんだっけ?
もしかしたら夢の中に登場していたのは、次男の姿を借りた私自身だったのでは?という考えに至りました。
私は過去の自分から離れたくて、意識の中のどこかに自分の根っこを長いこと預けていたのかもしれません。
長いこときちんと向き合わねばと思っていながら、いろんな心理的な葛藤を鎮めることができずにそのままでいました。
だから幼い頃の次男の姿を借りて夢の中に登場させたのかもしれません。
そうなると私の無意識の試みは成功して、なにか得体のしれない自分自身を現実に連れて帰ることができた気配が濃厚です。
推しに沼って脳内麻薬が頭の中に充満することによって達成できたと言えそうです。
これからも推しにパワーを充電してもらいながら、居心地悪そうにしている自分自身と向き合って大切に育てていこうと固く決意をすることにしました。
現実と無意識の私のみが知る事実ですが、ただの変な夢で片づけてしまってはいけないことのような気がしています。
現に小さな私が自分の中にいるのだと信じてこの先過ごして行くほうがこれからの人生が楽しく過ごせるのかも?
今月、推しと同じ日に誕生日を迎えて、私は59歳になります。